11月のシャチョー

2017年11月29日| シャチョー| UBISOFTJAPAN

今月は11月23日に「#アサシンクリード10周年」を迎えたということで、アサシン クリードと同じくユービーアイソフト在籍10周年を迎えていたシャチョーに今までのユービーアイソフトのこと、日本のこと、そしてこれからのことをインタビューしました。

 

今月はアサシン クリード10周年を迎えました。シャチョーも入社して10年がたつということですが、どのようなお気持ちですか?

10年前というと、PS3が発売されてまだ間もない頃ですね。10年というのは大きな区切りだと思います。学校、キャリア、人生。どんなことにしろ、同じことを10年間続けていると色々なことが起きます。特にIT業界の10年は長いのではないでしょうか?前の会社にも11年いて長いと感じていたのですが、なぜかユービーアイでの10年間はあっという間でした。もしかしたら歳を取ったからなのかもしれませんね。

私はこの10年間で家族もキャリアも両方大きく変わった気がします。息子も大きくなって、大学へ行くため家を出てその後就職しました。会社も2、3回オフィスの場所を変えました。10年という時間は長いはずなのに長く感じない。長く感じないのに老けてしまう。10年という時間とともに髪や肌のハリはどこかへ行ってしまい、ホウレイ線が増えました。見た目は10年前に戻りたいです。誰かどうにかしてください、よろしく。

 

シャチョーが入社されてから、ユービーアイソフトは全体的にどう成長してきましたか?

以前は色々なジャンルのゲームを作っていました。ペットの育成ゲームがはやっていた時期は、馬やウサギ、赤ちゃんなどの育成ゲームを作ったり、E3ではおもちゃを使ったゲームを披露したりしていました。日本のユーザー様に受け入れられるゲームを吟味していたので全てが日本で発売されていたわけではありませんけども!

それに比べると、今は規模の大きなタイトルに絞って制作するようにシフトしていますね。PS4やXBOX ONE、Nintendo Switchのようなコンソールで少し変わったゲームを作る機会は少なくなったかもしれません。でも、『チャイルド オブ ライト』などの社内インディーと呼んでいるスタジオ内で小人数の独立したチームを作って制作するタイトルは今までにないタイプでしたし、チャレンジをする精神は健在です。でも、一時期の流行に振り回されるようなことはなくなりましたね。ゲームのタイトルが大きくても小さくても、会社内で発生する作業は似ています。小さいタイトルを何本も作るより、大きなタイトルを何本かに絞るほうが会社の中でもやりがいを感じられますし、効率が上がると思っています。

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UBISOFTはヨーロッパの会社ですが、 この10年間で日本、そしてアジアのポジションは社内でどのように変化してきましたか?

10年前はまだアジアへの関心が少なかったように思います。『マイト・アンド・マジック』はアジアでは受け入れられていましたが、『アサシン クリード』と『レインボーシックス ベガス』が発売されてから本格的に注目され始めたと思います。10年ほど前はまだ、日本でのユービーアイソフトの知名度は高くありませんでした。

今年は『アサシン クリード オリジンズ』や映画『アサシン クリード』、そして、2年前に発売した『レインボーシックス シージ』などの影響もあって、より多くの方々にユービーアイソフトを知ってもらえたかと思います。

アジアでも同様です。以前は日本以外の他のアジア諸国に関してはオーストラリアオフィスが見ていました。2010年にやっと日本オフィスがアジアのことを見られるようになったので、徐々にアジアとしての声が本社にも届くようになった気がします。ローカライズや、それぞれのゲームの中身が市場にあっているか、など日本と似た問題に面することが多いので、アジアをまとめて見られるようになったのは良いことだと思います。

 

シャチョーはアジアを全体的に見ていらっしゃいますが、他のアジアの国々と比べて日本のマーケットはここが違うな、と気付くことはありますか?

特に日本が違うのは、日本はアジアの中で唯一のコンソール大国ということですかね。中国や韓国、東南アジアはPC版の需要のほうが高いです。そして、PC版だとダウンロードがほとんどを占めているのですが、コンソールではまだパッケージ版のほうが売れていますね。こういった日本と他のアジア諸国の違いから、値段のつけ方、製造のスケジュールや管理が変わってきます。アジアには共通の課題も多いのですが、この様に地域ごとに違う面もあるので必ずしも市場をひとくくりにしてもいいというわけではないのです。売り方や、ユーザーの皆さんが何を求めているのか、ということを見極める必要があります。

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これからユービーアイソフトは日本でどのように進化していきたいですか?

今、日本では『アサシン クリード』シリーズ以外にも『レインボーシックス シージ』や『ゴーストリコン ワイルドランズ』が人気です。特に『レインボーシックス シージ』はもうすぐで3年目を迎えようとしています。2年間人気が衰えるどころかどんどん成長しているのは本当にうれしいことです。このゲームはユービーアイソフト初のGAASタイトルでした。GAASというのはGAME AS A SERVICEの略で、直訳すると「サービスとしてのゲーム」です。タイトルを発売したら終わりということではなく、そのあともずっとサポートしていく様なGAASゲームをこれから先も作っていきたいと思います。

商品を売る会社から、サービスを提供する会社へ。そして私は日本や他のアジアの国々のユーザーの皆さんに響くようなゲームを作っていきたいです。どんなにクオリティの高いコンテンツを開発が作っても、それがヨーロッパでかっこいいからといっても、日本のユーザーさんにとっても良いものであるとは限りません。開発チームと連携しあってよりよいコンテンツを提供していきたいと思っています。