「シャチョー」Q&Aインタビュー

2017年08月07日| シャチョー| UBISOFTJAPAN

ユービーアイソフト株式会社「シャチョー」ことスティーヴ・ミラーをもっとよく知っていただくべく、Q&Aインタビューを遂行!先日公式Twitterでシャチョーへの質問を募集し、沢山のご質問をいただきました。その中からシャチョーに答えてもらいました。採用できなかった質問もありますが、送って下さった皆様ありがとうございます。

プライベートな質問もたくさん答えてもらったので最後まで読んでくださいね!

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まず始めに、自己紹介をお願いします。

こんにちは、スティーヴ・ミラーです。1965年、カリフォルニア生まれです。大学では日本史を勉強していました。

日本にはずっと興味があって、学生時代も独学で日本語を勉強していましたが、卒業してからは本格的に日本語を学ぶために日本へ来ました。そして、文部科学省などが協力しているJETプログラムという制度を利用して茨城県に数年間、英語教師として住んでいました。

それから、知り合いの紹介でデータイースト株式会社の海外営業部に入社して5、6年働き、その後はEAのビクターへ移りました。その後6年ほどオーストラリアへ転勤していたので合計で約11年間勤めた事になりますね。

ユービーアイへ来たのは10年前なので、日本へ来てからもう30年経ちますね。

人生の半分以上を日本で過ごしています。

 

人生で好きなゲームベスト3を教えてください。

1位 ポケモン 息子が7、8歳だったころに一緒にオーストラリアで遊んでいました。息子が上手くプレイできないから、「お父さんが教えてあげよう」と言ったのに、自分も下手で…一緒に楽しんだのがとても懐かしいです。

 

2位 ウルティマオンライン 世界初のマルチのオンラインゲームですね。世界の反対側の人と同時にプレイしているなんで、当時では信じられないことだったんです。そしてオンライン要素以外にも、ゲームとしてとても深かった。1年くらい没頭していました。

 

3位 コール オブ デューティ モダンウォーフェア2 やっぱりマルチプレイが好きですね。相手が人間だからこそ、競争心に火がつきます。そして、マップのバランスもとてもよかった。シリーズの中でも全体的にとてもバランスの良いゲームだと感じました。

 

我が社のゲームだと、オススメなのは『レインボーシックス シージ』です!マルチだし、私が今言うのもアレなんですが、とても面白いので人気なんですよ!

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小さい頃は何になりたかったですか?

小さい頃は父の影響で新聞記者になりたかったんです。父が新聞記者で、シャチョーの友達のお父さんたちに同じ職業の人がいない。わりと珍しい職業ですし、何よりかっこよかった。大人になった今、新聞記者にはなっていませんが自分で文章を書くのが好きでよく書きものをしています。小さいことから文系だったので、数字はあまり得意ではなかったです・・・。

 

学生時代はモテましたか?

うーん、どうでしょう!!高校2年生くらいまでは身長があまり伸びなかったのでモテなかった様な気がします。3、4年生(アメリカの高校は4年制)で一気に伸びたのですが、マッチョでもアメフト部に入っていたわけでもないから…フツーだね、フツー。

 

今まで生きてきた中で、一番の転機はなんですか?

日本に来たことですね!

通常、アイデンティティはみんな小さい頃から段々形成されていくもので、大きくなってから変わらないものだと思うかもしれません。たとえば、海外に住むことになったとしても、みんな頭の中には故郷があるし、いずれそこに戻ることが多いんじゃないでしょうか。もしくは、心の中では常に故郷に帰りたいと思っているかもしれません。でも私の場合、日本に来てからも自分の居場所がないなんて思ったことは一度もありません。私はアイデンティティは変わっていくものだと思っています。生まれはカリフォルニアですが、日本に来てから日本のアイデンティティも加わったんです。そして長く日本に住むようになり、アイデンティティは1つではなくて、いろんな経験が足されていくものだと気が付きました。そして、応用力が生まれた。違う環境へ行っても違和感はないし、その違いを超えて異なる文化も自分の一部に思えるようになりました。

 

これだけは誰にも負けない、という自分の強みは?

海外のゲームメーカーが日本でどうすべきか?というノウハウですね。アジアの全体的なマーケットがどうすれば失敗しない、逆にどうすれば成功するのかは誰よりも理解していると思います。

 

日本で今まで行った中で、一番印象的だった場所は?行ってみたい場所やお気に入りの場所は?

一番記憶に残るのは、震災直後の石巻です。地震の4ヶ月後くらいに息子と二人で下水を掻き出すボランティアへ行きました。元部下が、震災の直後にボランティア行っているのを見て、何で自分が真っ先に行かなかったのだろうと思い、息子を誘って一緒に行きました。その後も何度か東北へは訪れています。山を切り崩して土を移動して、土地を高くしているのはすごいアイディアだと思いました。

日本で行ってみたい場所は四国です。今まで他の地域へは行ったことがあるけれど、四国はまだ行ったことがありません。きれいな自然やおいしい食べ物など、とても魅力的ですね。

日本で特に好きな場所は、京都です。京都へ行くと五感が刺激されます。京都弁を耳で楽しんだり、おいしい食べ物を食べたり、角を曲がると急にお寺があったり、昔からずっとある町屋があったり。とにかく刺激的な町で、年に2回ほどは定期的に訪れている場所です。

 

「フライングパワーディスク」のキャラクター、Steve Millerについておしえてください。

このゲームを作った人と、仲が良かったんですよー。あと、たぶん外国人の名前を考えるのが面倒くさかったんじゃないかな?名前だけではなく声も私です。1991年から1996年くらいまでのデータイーストのゲームには結構私の声が入っています。会社には営業として入ったんですが、当時声が足りなかったみたいで、最初は脇役キャラのうめき声とか、簡単なアフレコをやっていました。どんな声をやればおもしろい、とか言うのはなんとなく分かっていたのでだんだん慣れてきて、色々なキャラクターの声をやるようになりました。特に面白かったのは、バスケットボールのゲームの中で英語のラップの曲が必要になったときに私がそれを書いたこと、かな。

 

もっと売れてもおかしくなかったと思う、ユービーアイソフトのマイナーなタイトルはなんですか?

もっと売れてもおかしくなかったと思うのは、『レイマン レジェンド』と『ロックスミス』です。『レイマン レジェンド』は海外ではとても高く評価されていたし、今でも胸を張ってオススメします。本物のギター(ベース)を使う『ロックスミス』もとても革新的だったと思いますし、日本の曲がたくさん入っていて遊んでくれた人の評価は高かったと思います。

 

日本でユービーアイソフトをもっと広めるには、何が必要だと思いますか?

まず始めに、やはりローカライズが大切だと思います。リライトしたり、人気の声優さんを使ったり、リップシンクをやったり色々出来ることがあります。現実的にはやりたいけど時間や予算が足りないことが多くて全てをやる事はとても難しいのですが・・・。

次にネットワークインフラを強化することも大事だと思いますが、ネットワークは一瞬で直せるものでもないですし、日本のユービーアイソフトでは出来ることが限られているのが現状です。サーバーが原因なのか、ISPが原因なのか、それともインターネット環境なのか。1つ1つ原因をつぶしていこうとしてもとても時間がかかります。勿論開発やサーバー管理の部署が毎日がんばってくれているので、皆様によりよいマルチプレイの環境を作ってもらうためにそれをサポートしています。

あと、日本の独自のコンテンツを作れればなおいいですね。日本開発でRPGを作ったり。本社にも何度もリクエストはしているんですがなかなか壁が高い…。色々リスクはついてきますが、いずれはやりたい事のひとつですね。ユービーアイだったら絶対に良いゲームが作れるはずですし!

 

『アサシン クリード』シリーズで一番好きなキャラクターは誰ですか?

アルタイルですね。最初にユービーアイソフトに入社したときのアサシンがアルタイルだったので、やっぱり愛着があります。

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※ちなみにこれはコナー(アサシン クリードIII)

 

個人的に『アサシン クリード』で見てみたい場所/時代は?

もちろん日本です。時代は戦国時代か幕末を推します。戦国時代は、いくつもの小国が1つになっていった経緯が非常に興味深いです。そして幕末は、海外が植民地を広げようとがんばっている間にも日本は上手い具合に植民地になることを免れました。そうしてどんどん日本は強くなっていきましたね。もっと細かくいうと、関が原の戦いがいいのか、本能寺の変がいいのか…とにかくその20年ほどを舞台にしたら面白いと思っています。

1つ言えるのは、海外の目から見た日本のステレオタイプにはしたくないということですね。芸者がいたり、忍者が出てきたり…登場するのはいいのですが、間違った日本にはしたくないです。

 

『レインボーシックス シージ』のフィギュアを含むグッズの販売予定は?

去年より、ebtenでユービーアイソフトのグッズを売り始めました。ぜひチェックしてください!

そして毎年、Ubidayでの物販でもグッズを色々売っていて、ご好評いただいています!1つ疑問に思うのは、UBIDAYなど限定されたところで販売すると人気だけど、いつでも買えることになったらそれでもまだ皆さんが買ってくれるのかな、ということですね。

 

今年のUbidayへの意気込みは?

『レインボーシックス シージ』のオフライン大会の決勝がみられるお祭り感が楽しみです!今年は場所も変わっておしゃれな渋谷のヒカリエの最上階となりました。駅直結で、雨が降っても濡れないので、皆様ぜひ来てください!そして私も会場を徘徊している予定です。ぜひ声を掛けてくださいね!高校ではモテなかったけれど…。あ、フツーだったけど、か?

 

それでは最後に皆様へのメッセージをお願いします!

ユービーアイソフトのゲームも変わってきていて、今はゲームがサービスへとなる時代へと突入しています。これからも長く遊べるタイトルをたくさん作っていく予定です。長く付き合える、飽きないタイトルと会社にしていきたいので、これからもユービーアイとシャチョーをよろしくお願いします!