『アサシン クリード オリジンズ』~シリーズ史上最大の世界へ~(Part 2)

2017年10月06日| アサシン クリード オリジンズ| UBISOFTJAPAN

By Mikel Reperaz (Ubiblog編集者)

最後のファラオ

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『アサシン クリード オリジンズ』の舞台となるのはクレオパトラが統治していた頃の波乱に満ちたエジプトです。この時代では対立や社会の変革がたくさん起こっていたため、紀元前49年というのはエジプト史から見ても特に辛い一年だったのではないでしょうか。

クレオパトラと、彼女と共にエジプトを統治していた弟プトレマイオス13世の間で、エジプトの権力をめぐって内戦が勃発し、それが原因で長い飢饉と不況が続きました。エジプトと長らく同盟国であったローマはこの事態を収拾すべく、ユリウス・カエサル自身がどちらの味方に付くかという決断に迫られたのです。

 

戦争と過去の偉人だけが理由でエジプトのこの時代がゲームの設定として選ばれたわけではありません。この時代のエジプトは、新たな文化と古い文化の衝突の渦中にありました。これはアサシン教団の誕生を語るのにもっとも適した時代だったのです。様々な文化が混ざり合い、見た目にも魅力的なこの時代は「アサシン クリード」シリーズによる歴史の探求をより豊かにします。

 

この時代は灌漑(かんがい)に特に力をいれていたため、エジプト史上最も緑が豊かな時代でした。

 

マクシム・デュラン(以下マクシム)- 歴史学者:

「本当に豊かな時代でした。ランドマークの観点からいっても、アレクサンドリアの大灯台、ギザのピラミッドと言った世界の七不思議もまだ形をとどめていました。それと同時に、エジプトを今にも手に入れようとするローマの影もありました。彼らの存在はどこへ行っても感じられ、エジプトを侵略する瞬間を今か今かと待っていました。」

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こういった様々な出来事の中心にはクレオパトラの存在がありました。彼女はエジプト最後のファラオで、今でも歴史上最も魅力的な人物の一人です。彼女の策略はこのゲームの中でも重要な役割を担っています。

 

マクシム:

「彼女がエジプトの統治者として行ったことは前例がありません。自分の先祖によって失われた財産を全て奪い返すことに成功しました。そして、カエサルなどに比べると全く権力を持っていなかった代わりに、複雑な政治の世界を器用に渡ってのけたのです。現在私たちが彼女について知っている事はほんのわずかです。でも、そんなわずかな情報からでも彼女がとても魅力的な人物であったことが伺えます。」

 

「たとえ彼女がどんなに素晴らしい人間であったとしても、多少の暴動は経験したと思われます。彼女の先祖にとっても暴動は頻繁に直面しなければならない問題だったので、開発チームもこのゲームにそのような背景を取り入れました。クレオパトラの統治していた時代の暴動を示す文献はまだ見つかっていません。しかし、ギリシャ人がトップに立ちエジプト人のチャンスを奪っていたヒエラルキーは暴動の原因になっていたと言っても過言ではありません。」

 

「クレオパトラの時代に暴動や反乱に関する情報がないのは、反乱を起こした人物の名前が歴史から抹消されていたからです。この時代にはたくさんの暴動が起きていたのは明確です。ですが、たとえそうだとしても、反乱者の名前は分かりません。彼女の先祖の時代では、名前が残っている反乱者もいます。そういった人々がゲームに登場する反乱者たちのインスピレーションになっています。」

 

「彼らの暴動の大きな要因の1つに“税金”が挙げられます。この課税制度はファラオが統治していた頃からあったので、ギリシャ人が始めたものではありません。しかし、ちょうどこの時期には国内外で戦争が起きていたため、たくさんの人手を要していました。戦争へ参加した人々は農地で仕事ができないのにも関わらず税金を払わされていたために、人々の間にどんどん不満が募っていったのです。」

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マクシム:

「クレオパトラの先祖は全員暗殺されたり、ナイルに沈められて命を落としたといっても過言ではありません。なので、王座に付く人間が短い期間に入れ代わり立ち代わり代わったのです。それにより混乱が生まれ、聖なるファラオの価値を下げました。エジプト支配者の輝きに傷が付くこととなったのです。」

 

Part 3へ続く

※本記事はUbiblogの英文記事を元に作成しています