観客に愛され、
嫌われるのが
本当に良い悪役
MEETS VARIOUS ARTISTS vol.2ジャンカルロ・エスポジート 俳優
Giancarlo Esposito
Movie
「自分はどのような人間であるか」と、
心の奥に目を向けてもらうこと
「自分はどのような人間である
か」と、
心の奥に目を向けても
らうこと
ー今回、アントン・カスティロ役を引き受けた理由
は?
作品を通じて、観客(プレイヤー)であるみなさんが、
「自分はどのような人間であるか」と、心の奥に目を
向けて
もらうことがエンターテイナーとしての私の夢
です。そこで、みなさんが知らない自分に出会えるか
もしれない
からです。
ー役を演じるにあたり、こだわった部分は?
本作への出演にあたり、自身の頭のなかで『ファー
クライ6』の世界を想像すること。それが私にとって
最大の
課題でした。
ー出演を終えて、どのような作品に仕上がったと感じ
ていますか?
私たちのDNAと魂のすべてをゲームの世界に落とし
込みました。必ずや本作はこれまでの『ファークラ
イ』シ
リーズよりもはるかに進化を遂げた『ファーク
ライ』になるでしょう。
それは、まるで大きなキャンバスに美しい絵を描いた
ような素晴らしい感覚です。
ープレイヤーには、アントン・カスティロという人物
をどのように感じてほしいですか?
アントン・カスティロもまたひとりの人間であり、
誰でもが持つような幅広く奥深い感情を有していま
す。彼自
身も葛藤のなかにいることをプレイヤーのみ
なさんに知っていただきたいです。
ージャンカルロさん演じる悪役には、どこか魅力を
感じます。ご自身にとって「悪役を演じる」とは?
良い悪役とは、人間であること。私がひとりの人間
を演じる際は、人格の"善と悪"の両面を表現したい
ので
す。
長年、悪役という存在は人々に恐れられ、大抵は憎
まれてきましたが、観客に愛され、嫌われるのが本
当に良い
悪役だと思います。
祖国再建を目指す気持が
彼の行動の原動力
祖国再建を目指す気持が彼の行動の原動力
ーアントン・カスティロは目的のためであ
れば倫理や道徳を顧みない人物ですが、
彼の原動力となるものは何だと思います
か?
私は役作りの際に、頭のなかで積み木をす
るようにキャラクターを形作っていきま
す。私の演
じたアントン・カスティロは、
人々を統率することに秀でています。
人々のために祖国再建を目指すその気持ち
こそが、彼の行動の原動力となっているの
です。
ージャンカルロさんから見て、『ファーク
ライ』シリーズの魅力とは?
『ファークライ』シリーズは、ヴィラン(悪
役)とプレイヤーとのあいだに濃密な関係
性を築き
ます。そんな非常に個人的な結び
つきを感じさせる部分が魅力のひとつだと
感じています。
本文・編集:ローリング内沢/村田征二朗