カースド クルセイドの世界

12世紀末が目前に迫った頃、聖地エルサレムを奪還すべく、時のローマ教皇インノケンティウス3世は十字軍を呼びかける。
それは歴史上悪名高い、聖地奪還の戦いをせずに同じキリスト教国のビザンチン帝国を滅ぼした、第四回十字軍であった。
おもだった国王はこの十字軍に参加しなかったが、
名を上げる目的で参加したフランス人の貴族・諸侯たちを中心に、軍隊は集結していった。
そのフランスに、デンズ・ドゥ・ベールという若い貴族がいた。
デンズの父親であるジャン・ドゥ・ベールはその8年前に息子、
妻、城を残して、第三回十字軍に出発し、行方不明となっていた。
ある日、デンズの叔父がやってきて父親の所有物の権利を主張しはじめる。
若いデンズは自分の土地を守ることができず、叔父に土地や財産のすべてを奪われてしまう。
しばらく剣の腕だけを頼りに放浪したデンズだが、
奪われた土地や財産を取り戻すには、失踪した父親を連れ戻すしかないと考える。
生存しているはずの父を探し、一族の名誉を取り戻すために、デンズは十字軍への参加を決意したのだった……。