サム・フィッシャー(CV:玄田哲章)
サードエシュロンによって「スプリンターセル」エージェント第1号に抜擢されるはるか以前から、サム・フィッシャーは敵戦線後方での極秘ミッションに従事していた。パナマやペルシャ湾からボリビア、コロンビア、ユーゴスラビア、果てはコソボに至るあらゆる場所で、彼はミッションを遂行してきたのだ。
かつて彼が所属していた海軍特殊部隊「シールズ」は、固い絆で結ばれた精鋭中の精鋭である。部隊はアメリカの自由を守るためであれば命を捨てることさえいとわない、勇敢な隊員たちによって構成されているのだ。戦闘、諜報、果てしない訓練。それが成人後のサム・フィッシャーを定義するすべてであり、そのような環境の中で彼の戦術能力は本能の一部になるまで磨き上げられていったのである。
だが今の彼は、任務に嫌気がさし、命令に従う義務感も失った一匹狼だ。結婚生活も、愛する娘も、名声も、親友も、すべてを祖国のために捧げた人間兵器は、最後の任務を終えたあと、サードエシュロンと袂を分かった。
今の彼は兵器ですらない。抜き身のナイフのように危険な存在なのだ……。