Assassin's Creed 2 - アサシン クリードII

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アサシンで学ぶルネサンス

ロレンツォ以前のメディチ家

ロレンツォ・デ・メディチは、15世紀末のフィレンツェ共和国の実質上の支配者であり、ゲーム本編では主人公エツィオの父ジョヴァンニの友人として、またエツィオの協力者として重要な役割を担っている。
メディチ家は、メディチ銀行など金融業で知られる一族だが、その前身は薬商か医者(Mediciはイタリア語で「医者」を意味する)だったと伝えられており、紋章に描かれている赤い円は、丸薬を表しているといわれている。

メディチ家の紋章

サンタ・マリア・デル・フィオーレ教会の床に描かれたメディチ家の紋章。

金融業の成功

中世ヨーロッパでは、商業網が広域化したことにより外貨を交換する両替商(銀行の前身)が発達した。フィレンツェの商人たちも都市独自の貨幣を発行して両替商を始め、この地は金融の中心地として栄えることになる。ちなみに、ゲーム中に登場する貨幣(フローリン)も、フィレンツェ発行の金貨である。
メディチ家も14世紀頃から銀行家として台頭する。1410年に当主ジョヴァンニ(1360-1429年)は、ローマ教皇庁会計院の財務管理者となり、政治的にも優位な立場を得ることに成功した。

フィレンツェの支配者

ジョヴァンニの息子コジモ(1389-1464年)の代になった頃、フィレンツェでは政治を独占する富豪(貴族)層と、それに不満を持つ貧困層との反目が深刻化していた。1433年、コジモは政敵によってフィレンツェを追放されてしまうが、貧困層が強大なメディチ家を代表者に推したため、翌年には政敵が追放されて再び政治家として返り咲いた。派閥抗争の恐ろしさを学んだコジモは、表向きは共和制を尊重しつつも制度操作で政府執行委員を一族で固めるなど、裏からフィレンツェを支配した。一方でイタリア5大国(フィレンツェ、ヴェネツィア、ローマ、ミラノ、ナポリ)間の関係を深め、1454年にローディの和(和平協定)を結ぶ。こうしてコジモの代から、メディチ家による独裁政権が始まる。