14世紀までのヨーロッパは、キリスト教の教えが価値観のすべてであった。そんななか生まれたルネサンスとは、教会の価値観から離れて古代ギリシア・ローマの文化を復興させ、人間が自然に抱く感情や欲求を、芸術や文学を通じてリアルに表現しようという文化運動のことだ。
イタリアにルネサンスの兆しが現れたのは14世紀。フィレンツェの哲学者ダンテが叙事詩『神曲』を発表したことに始まる。古代ローマの伝統が根強く残っていたこと、経済的に豊かで学芸の支援者が多かったことなどにより、イタリアは革新的な芸術や文学が生まれやすい環境にあったのだ。
やがて15世紀になると、古代ギリシア文化とイスラム文化とを併せ持つビザンティン帝国(東ローマ帝国)が滅亡する。多くの知識人たちがこの地から亡命してきたことで、ルネサンスは一気に開花することになった。
戦乱や貨幣中心の社会が訪れ、
皇帝や教会の権威が失われる
オスマン帝国によって
ビザンティン帝国が滅ぼされる
ビザンティン帝国の知識人たちが
豊かなイタリアへ亡命する
イタリアにキリスト教以外の
新しい価値観が広まる
イタリアで
ルネサンスが開花する