■スプリンターセルとは?
2003年、アメリカ合衆国における国家機密の漏洩防止を目的として開発された高度なデジタル暗号化システムが普及するに伴い、国家安全保障局 (NSA) は新たな特殊部隊を編成した。サードエシュロンと呼ばれるこの秘密部隊は、古典的な諜報活動のほか、最新鋭の監視技術や戦闘技術を駆使して、敵のデータを盗み出す。従来の方法で国家安全の脅威となるデータを盗み出せない場合は、物理的手段でそれを破壊する。
その存在を公にしていないサードエシュロンには、スプリンターセルと呼ばれるチームがある。スプリンターセルは、リモートチームの支援を受けながら単独で建物内に侵入する特殊部隊である。スプリンターセルの意は、砕け散ったガラスの破片のように小さく、鋭く、そしてほとんど目に見えないもののことである。そして、その任務の特徴から、チームはそう呼ばれている。
プレイヤーは特殊工作員のサム・フィッシャーに扮して,困難な隠密任務に挑む。敵から身を隠すことを基本としたスニーク系のゲームである。
■ストーリーライン
機密情報をにぎるエンジニアのブルース・モルゲンホルトがペルーで誘拐された。これを受けて、アメリカ国家安全保障局(NSA)が極秘に組織した秘密機関「サードエシェロン」はモルゲンホルト救出に動く。しかし、時すでに遅く、モルゲンホルトは誘拐犯らに拷問され死んでいる状態で発見された・・・。サム・フィッシャーは犯行現場に残された最新の武器から、その武器を輸送した貨物船を突き止める。武器はMCASバンコ・デ・パナマ銀行を介して売買されたものであると判明。サム・フィッシャーはまずその銀行に潜入し、調査を開始する。
コンピューターテロが起こり日本とアメリカ東海岸で情報システムが停止する。サム・フィッシャーは、バンコ・デ・パナマ銀行とモルゲンホルトを結びつける人物、ゼルケージを追って彼の住むペントハウスを調査しに、マンハッタンに向かう。しかし、ゼルケージは北海道に逃亡することに成功した。それに協力したのは、彼の旧友であるダグラス・シェトランドが組織する民間軍事会社、ディスプレイス・インターナショナル社とシェトランドの右腕である傭兵、マイラン・ネディチであることが判明。サム・フィッシャーはゼルケージを探しに北海道に向かうが、彼を確保する前にシェトランドによってゼルケージが殺害されてしまう。その間アジアでは、北朝鮮がJapanese I-SDF(日本の自衛隊の諜報機関)の結成に抗議し二国間の緊張が高まっていた。
アメリカと北朝鮮の緊張が最高潮に高まっている頃、アメリカの戦艦ウェルシュがミサイルに撃沈させられた。アメリカは北朝鮮からの攻撃を疑うが、北朝鮮はミサイルを発射したのは自国ではないと反論する。サム・フィッシャーは、北朝鮮のミサイル発射装置は何者かに介入され、北朝鮮の意向ではないままに発射されていたことを突き止める。しかし、追い詰められた北朝鮮は、韓国との国境を越え侵略を開始しようと試み、第2の朝鮮戦争の危機となる。中国は、もしアメリカと朝鮮のいずれかが核を行使した場合、自国も核を使用し世界的な核戦争になると警告する。エシェロンは北朝鮮で起こったコンピューターテロがソウルを経由して発せられたものであることを突き止めた。サム・フィッシャーがソウルのダウンタウンにあるデータタンクにアクセスし、データを復元して飛行機に転送した瞬間、機が北朝鮮の対空ミサイルの攻撃を受けた。サム・フィッシャーは一刻も早く残骸にたどり着き、朝鮮の手に渡る前にデータを破壊しなければならなくなる。エシェロンの調査で、ソウルのコンピューターテロは日本から発せられたことが判明した。シェトランドはあるグループと、機密情報の交換のため日本で準備を進めていた。そのグループがI-SDFであり、I-SDFの最高人物である大友敏郎が、コンピューターテロを操っていたことが判明する。大友は、テロを起こして自分の力を証明し、自分は情報戦争を世界規模に発展させることができるとして、日本政府へ憲法廃止を恐喝していた。サム・フィッシャーは世界の危機を煽ろうとしていた大友を殺害しこの地で起こる紛争を阻止するため、日本の防衛庁に潜入する。